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君と過ごす大切な日々5

 2007-11-15

なんだか最近ブログに来てくださる方も多い様なので、お礼の気持ちとして小説更新。

アップしてからだんだん裏風味になってきてしまったことに気付く。

もしやこの次の6はもうブログで書けなかったりして・・・
『何か気に障ることを言っただろうか…』

月森は首を傾げながら不安そうに尋ねる。

『あぁ、違う違う。お前のせいじゃないさ。』

そう言って手を顔の前で振ると、土浦はスコアを自分の鞄に仕舞い込む。

『すぐは流石に無理だから…2、3日後に合わせるか。』

『あぁ、そうだな。俺はいつでも大丈夫だ。』

『もう練習してあるのか、じゃ二日後に練習室集合な。』

土浦は月森に負けじと自分の譜読みと暗譜の早さを計算し、合わせる日にちを指定する。

『大丈夫なのか?』
『あぁ、家にピアノあるしな、2日練習すりゃなんとかなる。』

そう言って鞄にスコアを仕舞うため、背を向けている土浦を見て、月森は先ほどの抱きしめて欲しい、という思いを思い出す。

このままだと土浦は帰ってしまう。その前に、もう一度抱きしめて、触れて欲しいと伝えたかった。そうしたら、今度こそ、彼を逃げずに受け止めたい。

そう思って。けれど、どうしても言葉には出せなくて、月森は愛しい人の背中に抱きつくことにした。

突然ギュッと背中に抱きつかれた感触がして、驚いて土浦は固まった。

『…月森さん?何してんですか…?』

背中に月森の体温を感じながら、そっと聞いてみる。
信じられない月森からの触れ合いに、自然と土浦の鼓動は早くなっていった。

さっき、次にキたらもう我慢できそうにないって言っただろ!?

言っていたのは土浦の心の中だけだったので、何も知らない月森からの甘い責め苦は続く。

すると月森の裏返りそうな高めの、熱に浮かされたような声が返ってきた。

『君に…こうしたかったから…』

じんわりと月森の甘い囁きが音の波として背中に伝わってくる。

土浦は堪らなくて首を振った。顔が限りなく熱を持っている。

ヤバい、死ぬほど可愛いっ…。

恋をするとその人が可愛くなるとか綺麗になるとかよく聞くが、ほんとなんだな、と土浦は妙に納得した。

というか、理性の鎖がそろそろピークで千切れそうだ。

『つち…うら…』

吐息混じりで名前を呼ばれ、土浦は背中から声の波が腰まで響いてくるむず痒さに震えた。

身体が熱くて、月森を抱きしめたくて、逃れたいのに逃れられない状態に土浦はおかしくなりそうだった。

『月森…、これは…なんだ?生き地獄なんだが…、拷問か?』

思わずそんな言葉が出る。

そう言われて、月森はつい手を離してしまう。その隙に、土浦が月森の方に向き直った。

『お前な、こういうことすると、俺の中の猛獣が火を吹くぞ?』

土浦は脅しをかけるように言う。全くその手のことに警戒心がない月森に釘をさしておかなければ、と土浦の理性が盛んに警報を鳴らしていた。自分が変な事を言っている自覚は最早無い。

月森は躊躇いがちに、でも何かを求めて言った。

『…そうなっても…構わない。』

何かを決心したような月森の言い方に、土浦は、自分の良いように解釈してはいけないと、必死に自分に言い聞かせる。

『お前…自分が何言ってるのかわかってるのか?……俺を猛獣にしたいのか。』

土浦の声は一段と低くなる。

いつの間にか、目を細め、追い詰めるような土浦の視線に、ぞくりとした月森は後ろに下がった。

『それは…その…、』

『お前何されるかわかってるのか?』

『…、それは…俺は…そういうことはよく分からなくて…』
身の危険を何となく感じたのか月森は、土浦と距離を取るように後ろに下がっていたが、あるところでドン、と身体が何かに当たり、それ以上後ろに行けなくなってしまっていた。
『お前のそういうとこが汚したくなるんだよな。』

純粋で一点の汚れもない、何も知らない月森に、獣の心が疼く。

追いつめられた月森は土浦の言動に、なっ…!と息をのんで顔を赤くした。

土浦は月森の両腕を壁に押さえつけ、耳元に鋭く深く低く、語りかける。

『お前…俺に何されると思ってるんだ…?』

『…っ!!…俺は…別にっ…』

普段とは違う土浦の様子に、言葉に、羞恥心を煽られ、月森は顔を真っ赤にして背ける。

こんな土浦は知らない。射るような視線、熱を持った吐息混じりの低い声…。昔の憎しみや皮肉を込めた顔でもない。ゾクゾクする、自分がどうされたいのか分からない。ねっとりとした視線に身体が勝手に熱くなる。

そういえば抱きしめて欲しかった、受け止めたいと願った。そんなことすっかり忘れそうになっていたが。今この身を全て明け渡してしまったら、俺はどうなってしまうんだろう…。

土浦は、月森の顎を指でなぞりながら自分の方に向け、口づけするかしないかのギリギリの距離で寸止めする。そして獲物を狙い、捕まえて、最期の言葉を聞くかのように低く問いかけた。

『…俺に…どうして欲しいんだ…?』

『あっ……。』

その影を落とした土浦の表情、言葉、吐息、押さえつけられた手首の痛みにさえ何かを感じてしまい、思わず月森は声をあげた。

分からない…どうなるかわからない…。
でも…

『どう…したいのか自分でも分からない…が、…知りたい…。』

鹿などの動物はライオンなどに捕食される時、痛みを紛らわすために快楽物質が出るという。

この状態はそういうものなんだろうか、人も恐怖を紛らわすために快楽物質が出るんだろうかと月森はふと思った。

『君になら…捕食されても…構わない。』

月森からそんな言葉が来るとは思わなくて土浦は目を見開くが、

『じゃ、遠慮なく食わせてもらうか。嫌だっていっても止めないからな。』

そう念を押して、再び体重をかけ、唇を乱暴に奪った。

『んっ…。んんっ…ふんんっ…』

何度も角度を変え、舌を絡ませ吸い上げて、熱く激しく月森を食べていく。土浦の口づけはいつもと比べものにならないくらい荒々しく、噛みつくようなものだった。

激しい土浦の口づけに痺れる意識の中、月森は、あぁ、やっぱり快楽物質が出ているんだ、噛み付かれても気持ちいい、と感じていた。


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