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その瞳に魅せられて〜本能のObbligato〜
2009-04-19
「…だから…、海岸通り、…のドコだよ…」来てから、いや来る前から思ってはいたが、
海岸通り、なんて一言で言っても、通りなんだから広すぎる。
せめてもっと具体的に目印が欲しかったが、
こちらからはあの生意気小僧には連絡の仕様がなかったのでどうしようもなく。
一応キーボード引っさげて来てはみたが、やはりそれらしい姿は見当たらなかった。
「くっそ、自力で探せってのか…!?」
対決、ともなると小さいキーボードじゃ話にならない。一応88鍵そろってて、グランドピアノの音をリアルに再現し、かつ軽量なのを持っては来た。
だが、それでも10キロちょいはある。
出来れば通りを右往左往して人捜し、なんてやりたくなかった。
…仕方ねぇ…、とりあえず、海岸通りを海の方に向かってひと通り歩いてみるか…
建物に入ってたらもう知るか、と思いながら俺は歩き出した。
海岸通りは、落ち着いた雰囲気の裏通り、という言葉が似合う通りだった。
この道の先には、海が広がっている。
あまり来慣れていない場所を左右観察しながら、俺はゆっくりと歩いていた。
あの生ガキを見つけるのは、長期戦になることを覚悟しながら。
少し歩いて、何軒目かのゲームセンターの前で、数人の男がモメているのが見えた。
…喧嘩か。周りの迷惑も考えろよな…
眉をひそめ、早足でゲームセンター前を通り過ぎようとすると、怒鳴り声が聞きたくなくても聞こえてくる。
なにやらゲームセンター内でいざこざになり、「表に出ろ!」という状態なんだということが予想できた。
俺は楽器を持っているため、いつもより少々警戒が過敏になっていた。なるべく関わらないように、通り過ぎようとしたとき、
…見覚えのあるフード付きのジャケットの、目立つ赤紫の頭のやつが、数名の高校2か3年くらいのガラの悪い3人の男に囲まれているのが、目の端に映ってしまった。
…っ!?…なんでよりにもよってそこにいるんだよっ…!
意外と早く見つかったが、とても喜べた状態じゃない。
助けるかどうか一瞬迷って、俺はとりあえず手に持っているキーボードを安全そうな場所に置くことにした。
そうこうしているうちに、状況はどんどん進行する。
「は?てめぇがそんな邪魔なもん持ってるから当たったんだろ!おい。ガンつけてんじゃねーぞ。あ゛?」
3人の高校生は生ガキに詰め寄る。
あいつの性格だ、仕掛けたのか仕掛けられたのか知らないが、ほっといて喧嘩が自然に収まるワケがない。
…中学生1人を高校3年くらいの男3人で囲んで…、情けない光景だと思わないのか…
いや、ガラの悪い連中は思ってはいないんだろう。素行が悪そうな奴らに囲まれても怯えもしない生ガキは中学生にはまず見えない。
「はぁ…。そっちが勝手にぶつかってきたんだろ。俺行くとこあるからどいてくんない?」
寧ろそっちが邪魔だと言わんばかりの溜め息と同時に、面倒くさそうに頭をかく生ガキがいた。
…馬鹿、あれじゃ余計煽る…
生ガキの背中には、青いメタル調の楽器ケースが見えた。とても戦って勝てるとは思えない。
「そうだよ、桐也は悪くないだろ、ぶつかってきたのはそっちだ!」
生ガキの後ろから加勢する声が聞こえる。
どうやら1対3ではなかったらしい。
…友達か…?
生ガキのすぐ後ろに、やはり高校生くらいの男がいた。
けれど、生ガキより後ろにいるところを見ると、こちらも喧嘩は強くなさそうだ。
「はあ?てめーらナメてんじゃねーよ。ここは俺らの縄張りなんだよ!二度とでかい顔できねぇように地獄みせてやろうか?」
生ガキを囲むうちの一人の男が、バキボキと指の関節を鳴らして脅す。
「…それちょっと困るんだけど。謝るから許してくんない?」
少し困ったような顔をして、生ガキが生ガキらしくないことを口にする。
「桐也!?」
後ろの友人も驚いているようだ。
「…はっ!いいぜ、床這いつくばって土下座して謝るなら、許してやらねーこともないかもしんねーな!」
生ガキを囲む連中は嘲笑う。
「桐也、お前が謝る必要ないって!」
生ガキの後ろの友人らしきやつは、生ガキの行動を制止しようと生ガキに近付く。
「わかった。」
けれど、生ガキは先に相手に従った。
…アイツらしくない…!
やはり楽器があるせいか、この後の俺との対決前だから穏便に済ませたいのか。
音楽の為なら生意気なアイツでも、こんなしおらしいことすんのかと、何だか見ていられなくなる。
近寄った友人に生ガキは「いいから、」と言って楽器ケースを渡すと、「よろしくな。」と友人を見上げたようだった。
生ガキが高校生達の方に向き直り、しゃがもうとするのと、
高校生連中が土下座した生ガキを足蹴にしようと、足を上げるのが同時に見えた。
…中学生1人を高校3年くらいの男3人で囲んで…、情けない光景だと思わないのか…
いや、ガラの悪い連中は思ってはいないんだろう。素行が悪そうな奴らに囲まれても怯えもしない生ガキは中学生にはまず見えない。
「はぁ…。そっちが勝手にぶつかってきたんだろ。俺行くとこあるからどいてくんない?」
寧ろそっちが邪魔だと言わんばかりの溜め息と同時に、面倒くさそうに頭をかく生ガキがいた。
…馬鹿、あれじゃ余計煽る…
生ガキの背中には、青いメタル調の楽器ケースが見えた。とても戦って勝てるとは思えない。
「そうだよ、桐也は悪くないだろ、ぶつかってきたのはそっちだ!」
生ガキの後ろから加勢する声が聞こえる。
どうやら1対3ではなかったらしい。
…友達か…?
生ガキのすぐ後ろに、やはり高校生くらいの男がいた。
けれど、生ガキより後ろにいるところを見ると、こちらも喧嘩は強くなさそうだ。
「はあ?てめーらナメてんじゃねーよ。ここは俺らの縄張りなんだよ!二度とでかい顔できねぇように地獄みせてやろうか?」
生ガキを囲むうちの一人の男が、バキボキと指の関節を鳴らして脅す。
「…それちょっと困るんだけど。謝るから許してくんない?」
少し困ったような顔をして、生ガキが生ガキらしくないことを口にする。
「桐也!?」
後ろの友人も驚いているようだ。
「…はっ!いいぜ、床這いつくばって土下座して謝るなら、許してやらねーこともないかもしんねーな!」
生ガキを囲む連中は嘲笑う。
「桐也、お前が謝る必要ないって!」
生ガキの後ろの友人らしきやつは、生ガキの行動を制止しようと生ガキに近付く。
「わかった。」
けれど、生ガキは先に相手に従った。
…アイツらしくない…!
やはり楽器があるせいか、この後の俺との対決前だから穏便に済ませたいのか。
音楽の為なら生意気なアイツでも、こんなしおらしいことすんのかと、何だか見ていられなくなる。
近寄った友人に生ガキは「いいから、」と言って楽器ケースを渡すと、「よろしくな。」と友人を見上げたようだった。
生ガキが高校生達の方に向き直り、しゃがもうとするのと、
高校生連中が土下座した生ガキを足蹴にしようと、足を上げるのが同時に見えた。
