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揺れるお前と心と風と 1

 2008-07-20

清乱さまへ捧げるお詫び小説(平謝)
です。

土月でラブを目指しました〜


暗くなった帰り道、公園にさしかかった。

頭上には綺麗な闇。

吸い込まれそうで、その暗さがかえって心地いい。

月も星も無い夜だった。
誰もいない公園は、
俺を、―俺達を誘っているようだった。

「蓮、ちょっと公園寄ってかないか?」
「は?」

何を言っているんだと言いたげな表情の蓮を連れて、半ば無理やり夜の公園に忍び込む。

当然のように人っ子一人見当たらなくて、なんだかワクワクした。

見つかってはいけないような、スリルを感じる。
子供しか遊ばないような、小さな公園には、遊具と木と電灯の明かり。

草を踏みながら公園内を進むと、手を引かれながらも蓮はついてきた。

「何なんだ、急に…」

繋いでいた手を自由にして、俺はポケットに手をつっこむ。文句を言う蓮を軽く振り返り、笑って見せた。

「…なんか呼ばれてる気がしてな。…付き合えよ。」

サクサク鳴る草も、少し湿った初夏の風も、土の匂いも俺を呼んでいた。
少しだけ。
誰も見てるわけじゃないし、少しだけならいいだろう?

「…はぁ、……嫌だと言っても無駄なんだろう?」
「まあな。」

溜め息をついて腕を組む蓮はつれないが、そういう言い方しかできないところも愛おしいとか、思っちまう俺は相当まいってるかもしれない。

ぬるいような湿っぽいような、初夏の夜の風に当てられて、少しハイになってんだろうか。

蓮が遊具に目を移している間に、俺はやたら低く見えるブランコに座る。

ゆるく蹴りだして、
ふわり、少しだけ体が揺れる。

ゆらゆら小さくブランコをこぎ出した俺に気付いて、蓮が少し驚いたようにこちらを向いた。

「……、何をしているんだ君は…」
「…何って、見たままだが?」
「……君がそんなことをし始めるとは思わなかった、…」

また溜め息をついた蓮には悪いが、俺は何だか楽しくなっていた。

ただの浮遊感は、何故人の体に、楽しさを覚えさせるんだろう。

ガキのころは、これが楽しくて楽しくて、靴飛ばしたり、馬鹿みたいに勢いづけて漕いで鎖が外れそうな音をたてていたっけな。

揺れる俺の視界に、手持ち無沙汰な蓮が見えた。

片足を地面についてブランコを止め、中指と薬指を上に立てて、クイクイと蓮を誘う。

キュッと蓮の眉根にはしわが寄るが、透き通る猫のような色の瞳には惑いが見えた。

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