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おーし、お前ら。レッスンを始めるぞ〜。
2008-06-13
初めてのレッスンだと聞いて、とても気が重い。モデル、として入ったはずのSeiso事務所は、いつの間にか俺をアイドルとやらに仕立て上げる気のようだ。
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
偶然廊下で一緒になってしまった第一印象最悪の土浦と、無言の冷戦を繰り広げていた。
何故、彼と二人でレッスンをしなければならないのか。
せめて、また変な言いがかりをつけられて、気疲れしないことを願うばかりだ。
お互いに睨みをきかせながら歩いていると、前のとある扉が開く。
「あ〜、やっと来たか、お前さんら。おっそいぞー・・・。早いとこ終わらせて、俺はネコ缶を買いに行かにゃならんのだ。ほれ、とっとと教室入る。」
「金やん・・・。ホントにこいつと一緒にやんのかよ。」
この人は確か、俺をスカウトしてきてここに入るきっかけを作った人物だ。
歌の講師だったのか・・・?
「あの・・・、俺は人前で歌など・・」
「ん?大丈夫だろ〜。お前さんならマイク持って無愛想に歌ってりゃ、下手でも客は喜ぶ。」
「・・・・、それは、いいのでしょうか・・・」
何だか気乗りがしない。
俺は眉根が寄るのが自分でもわかった。
「ま、愛想のあの字も無いような奴だし、そんなもんか。だれもお前の歌の質なんて求めてないから安心しろよ。・・・お前歌とか好きそうに見えないし、・・・ただ、レッスンで音外さないようにはなれよ?聞くほうの耳が腐る。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
許せない言葉が聞こえた気がする。
俺が。
歌に対して。
好きでも何でも俺の勝手だろう。だが、
質を求められていない?
俺が音楽に、
音楽に対して、
手を抜くと思っているのか。
そんなのは――許せない。
「君よりも俺が上手くなった時に、その言葉、後悔すればいい。」
「!?・・・んだと?!」
「ほーらほら、お前さん達・・・。盛り上がるのは結構だが、レッスンも始めるぞ〜・・・一応。」
いつか後悔させてやろう。俺を本気にさせたことを。
