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いつもお前だけを思ってる9

 2008-05-27

「俺には勿体無いくらいだな…。」

瞳を少し伏せて、タルトの箱が入った白いビニール袋を蓮に渡しながらそう言えば、蓮は不思議そうに首を傾げる。

「…何がだ…?」
「…なんでもない。」

…お前は優しくて、真っ直ぐで。

お前を困らせてばかりの俺には、勿体無い恋人かもしれない…。

フ、と笑いながら、知らないふりをして廊下を歩き出すと、蓮は真剣に食いついてきた。

「…梁…?…っ、気になる…」

…吐息混じりで名前を呼ぶのは反則だろ。

無意識で俺の弱いところを突いてくる蓮は、ホント油断ならない。

俺はスタスタ歩を進めて、階段を降りる。

「さあ、何だろうな…?ほら、早く帰らないと裏門も囲まれるぞ?」
「!…裏門から行くのか…、…わかった。」

俺への追求を諦めて、階段を降りてこようとしている蓮を、俺は振り返った。

そして右手を蓮に差し出す。

「ほら、来いよ。」

今日くらいは少し気障でも許されるだろ?

だって今日はお前の誕生日。

お前は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、ゆっくりと俺の手に自分の手を重ねて。

繋がるオモイ。

繋がる…細くて強い
ココロという名の糸。

それは見えないけれど、
確かに存在している。

見えなくなってしまうだけ。

だから伝えよう

ココロを
オモイを

誓いという言葉で。



「…いつもお前だけを思ってる。」




fin



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