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いつもお前だけを思ってる8
2008-05-26
「…わかった。……わりぃ、金やん…、今出る。」俺は台に広げっぱなしだったブルーベリータルトを箱に収め、俺と蓮の荷物を集める。
スカーフにやっと勝利した蓮を視界に入れながら、振り返って金やんを今度は真正面から捉えた。
「…金やん…、その、今のは…」
「あ〜知らん知らん。俺はな〜んも見てないぞー…。月森が餌付けされてて、調理室の鍵締め最後にまわしてやったから、さ〜そろそろ帰っただろと来てみたら更に盛り上がってた、なんて知らんからな〜」
「っ…!?」
「タルト食わした時に既に来てたのか?!」
「…とにかく、俺はうだうだ説教するのは嫌いだ。お前さん等がどういう関係かも聞く気は無い。…何も見てないからさっさと下校!俺を早く帰らせてくれー…。」
少しヤケ気味に金やんはそう言って、俺達に早く帰るように急かせる。
深く聞く気はないようで、俺は心底見られたのが金やんで助かったと思った。
「…金やん…、サンキュ。」
深く息を吐いた後、金やんに笑いかけながらそう言うと、鞄やタルトを手早く持って月森に声をかける。
「いくぞ?月森…」
何だかまだぼうっとしていた月森は、声をかけられてはっとしたように金やんを見た。
「ぁ…の…、すみません…、有難うございます…。」
月森はぺこりと律儀に金やんに礼をして、近くに置いてあったヴァイオリンケースを持つ。それから辺りに視線をさまよわせたが、俺は構わず調理室を出ることにした。
「月森…、お前さんが土浦を好きになるとはな…。少しは火原達を見習ってくれとは言ったが、ここまで好きになれとは言ってないぞ…?」
呆れたようなどこか冗談じみたような金やんの苦笑に、月森は下を向いて赤くなった。
俺が金やんの横を過ぎようとすると、金やんが不意に口を開いた。
「あー…、これは独り言なんだがー…、正門前がやたらと生徒が溜まってたからな〜、早く帰らせんと面倒だな〜。」
俺は思わず足を止める。
「…っ正門前?!…わかった。助かるぜ…、金やん。」
…まだ居やがったのか、野次馬…
そう思いながら金やんに顔だけ向けると、金やんは知らん顔で調理室の窓の向こうの夕日を見ていた。
…俺は、金やんのそういう融通きくとこが嫌いじゃないぜ。
サンキュー、ともう一度言い残して、俺は急いで廊下に出た。
廊下を早足で歩いていると、蓮が後ろから駆けてくる気配がする。
「…梁っ…、荷物を持たせてしまってすまない、後は自分で…」
蓮は、俺が片手に持っていたタルトの箱に手をかける。
「持てんのか?」
ヴァイオリンケースと何かを一緒に片手に持つことは絶対しない蓮だから、そうなるとケーキと鞄を一緒に持つことになる。それはそれでケーキが斜めになって危険だ。
「…それは、…」
言われて悩みだした蓮を見て、俺はケーキを蓮の前に差し出した。
「いいぜ、こっち持ちたいんだろ?」
「え?…」
「先に選んだもんな?」
ニヤリと口の端をつり上げてやると、蓮が、なっ…!?と声を上げてまた赤くなる。
…俺は嬉しいぜ?お前が無意識に欲しいと思ってくれて。
「だが、…」
眉間にしわを寄せ、複雑な顔をしている蓮は、おもちゃが持ちきれずに悩んでいる子供みたいで、何だか可愛くて。
俺は柔らかく目を細めて、トーンを落とした。
「お荷物お持ちしますよ、お姫さま。」
甘やかしたくなったんだ。
「なっ…?!」
誰がお姫さまだ…っ!という顔で睨む蓮は、顔が真っ赤なせいで全く怖くない。
寧ろ可愛くて、ケーキを渡す前に、運搬料としてキスを貰うことにした。
「んっ…?!」
先ほどの甘酸っぱいベリーと口付けが、口の中にいつまでも残っていて、忘れられずにまた求めてしまう俺がいる。
深くはせずに軽く唇の感触を味わうと、またふわりとベリーの匂いがした。
名残惜しいのを押し留め、蓮の唇を軽く吸って離す。
そうしないと、歯止めが聞かなくなるのはわかってる。
最初は嫌がっていた蓮も、今はトロンともの欲しそうな顔をしているから。
「…蓮、ごめんな…?…せっかくの誕生日がトラブル続きで…」
「…いや、…寧ろ嬉しかった。君が…俺のために、こんなにしてくれる事が…。…本当に、ありがとう、粱……。」
…告白のこと、正門前のこと、金やんに見つかったこともみんな俺の不注意だ。
なのに蓮は、そんな俺にはにかむような最高の笑顔を見せてくれた。
照れるように笑う蓮は、本当に健気で純粋で…
「俺には勿体無いくらいだな…。」
俺は瞳を少し伏せて、タルトの箱が入った白いビニール袋を蓮に渡しながら、そう言った。
「…梁っ…、荷物を持たせてしまってすまない、後は自分で…」
蓮は、俺が片手に持っていたタルトの箱に手をかける。
「持てんのか?」
ヴァイオリンケースと何かを一緒に片手に持つことは絶対しない蓮だから、そうなるとケーキと鞄を一緒に持つことになる。それはそれでケーキが斜めになって危険だ。
「…それは、…」
言われて悩みだした蓮を見て、俺はケーキを蓮の前に差し出した。
「いいぜ、こっち持ちたいんだろ?」
「え?…」
「先に選んだもんな?」
ニヤリと口の端をつり上げてやると、蓮が、なっ…!?と声を上げてまた赤くなる。
…俺は嬉しいぜ?お前が無意識に欲しいと思ってくれて。
「だが、…」
眉間にしわを寄せ、複雑な顔をしている蓮は、おもちゃが持ちきれずに悩んでいる子供みたいで、何だか可愛くて。
俺は柔らかく目を細めて、トーンを落とした。
「お荷物お持ちしますよ、お姫さま。」
甘やかしたくなったんだ。
「なっ…?!」
誰がお姫さまだ…っ!という顔で睨む蓮は、顔が真っ赤なせいで全く怖くない。
寧ろ可愛くて、ケーキを渡す前に、運搬料としてキスを貰うことにした。
「んっ…?!」
先ほどの甘酸っぱいベリーと口付けが、口の中にいつまでも残っていて、忘れられずにまた求めてしまう俺がいる。
深くはせずに軽く唇の感触を味わうと、またふわりとベリーの匂いがした。
名残惜しいのを押し留め、蓮の唇を軽く吸って離す。
そうしないと、歯止めが聞かなくなるのはわかってる。
最初は嫌がっていた蓮も、今はトロンともの欲しそうな顔をしているから。
「…蓮、ごめんな…?…せっかくの誕生日がトラブル続きで…」
「…いや、…寧ろ嬉しかった。君が…俺のために、こんなにしてくれる事が…。…本当に、ありがとう、粱……。」
…告白のこと、正門前のこと、金やんに見つかったこともみんな俺の不注意だ。
なのに蓮は、そんな俺にはにかむような最高の笑顔を見せてくれた。
照れるように笑う蓮は、本当に健気で純粋で…
「俺には勿体無いくらいだな…。」
俺は瞳を少し伏せて、タルトの箱が入った白いビニール袋を蓮に渡しながら、そう言った。
