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〜Seiso〜番外編 ロマンと恥は紙一重

 2008-02-15
「何故こんな・・・、」
「何故って、ロマンだし。その方が視聴率上がるかな〜って・・・」
「そんな・・・、布が擦れて・・・嫌だ・・・」
「何言ってるの、月森。何かやらしいよ?」
「ち、ちがっ・・・、俺は・・・・///」
「ま、裸エプロンなんてそうそうできることでもないから、貴重な経験だと思って我慢我慢v」


そういって僕は月森を宥める。

本日は生放送、泣いても笑っても一発撮り。

下手なことはなかなかできないけど、やってしまえば放送されてしまう状況で、僕たち二人は白のフリフリの裸エプロン実施中だ。

エプロンの間から、月森の色の白い肌と腕、わき腹辺りが見えている。

…うん、やっぱり可愛い月森がこういうカッコすると、見目麗しいよね。
僕は満足気に微笑んだ。

僕たちの前には調理台が腰より上の高さまであるんだけど、視聴者からすれば、

完全な裸エプロンに見え…なくもない。


実は、僕も一緒にやらなきゃいけないから、ズボンは穿いたまま、上半身だけ脱いでエプロンをつけていて。

月森だけだったら遠慮なく脱がせたんだけどね・・・。

でも、上半身しか脱いでない状態でも恥ずかしがって俯いてる月森。

これだけでそんなに恥ずかしがるなんて、本当に可愛いと思うよ、僕から見ても。

なんて言うか、男にあるまじき反応…だよね。

「大丈夫?月森。ファンサービスだと思って頑張ってねvそれじゃあ、トリュフ作ってみよう!チョコを刻むよ〜」

そう言いながら、僕は月森と僕の前にまな板を設置し、チョコと包丁を置く。

「チョコは100g用意してね、じゃあ、包丁で細かく刻んでくれる?月森。なるべく細かくね。その方が溶けやすいから。」

月森は月森で100g渡し、僕も隣でチョコを切る準備をする。

「あぁ・・・・、き、れない・・・」

月森は包丁を恐る恐る持ち、左手はまったく使わずに右手だけでチョコを切ろうとしている。

少し刃がチョコに刺さったのかギコギコとのこぎりのように包丁を扱う月森だけど、なかなか切れなくて苦戦している。

それを見ていられなくて苦笑した僕は、思わずアドバイス。

「押さえて、力を入れないと・・・」

左手でチョコを、もしくは包丁の背を、と言おうとしたが、

月森が右手を包丁の柄から離し、両手を包丁の背に当てて、上から全体重をかけてチョコを割ろうとする瞬間が目に入る。
「え?!ちょっと!それはあぶなっ…!」

僕が止める間もなく包丁はガン!とまな板にぶつかり、全体重を包丁にのせていた月森の体がぐらりと傾く。

とっさに、僕は月森の腕の下から手を回し、横から月森を抱えて、まな板から離すように後ろに避難した。

チョコが割れて、カタカタと包丁が僕たちの方に刃を向けて倒れた。

サーッと血の気が引く音がして、僕は抱いて避難させた月森を見上げる。

「危なかったね…、大丈夫?」
「あぁ…、すまない、こんなことになるとは…」
「ううん、いいよ。僕もちゃんと説明しなかったから…。皆さんも包丁には十分に気をつけてね。」

固まって、それから青ざめて。頭を垂れて謝る月森は弟とかみたいに見えて可愛い。けれど、何があっても生放送。これも全国に流れてしまっている。仕方なくカメラに笑顔でフォローした。

まだ青ざめて微かに月森が震えている。

そんなに怖かったのかな、…

「月森〜、よしよし、もう大丈夫だよー…」

僕は少し抱えて浮かせたままの月森の背を、宥めるために優しく撫でた。
「ぁん、っ…やっ…」

柔らかい月森の肌の感触。

あ、背中はエプロンないからがら空き…?
っていうか、僕が撫でただけでこんな可愛い声で、震えて、顔赤くして鳴いちゃだめでしょう、月森。

「そんな可愛かったら、狼さんに食べられちゃうよ、月森…?」

クスクスと笑いながら月森の耳に優しく吹き込んだ。

「君が、…っさわる、から…」

困ったように睨まれる。これ以上月森をハグハグしてからかうと、この子のダーリンにも怒られそうなので、この辺でやめることにした。

月森を下ろして、普通の人より気をつけてあげなければいけないことを、僕はこの状況に至ってやっと悟った。

…危ないから月森には包丁持たせないようにしよう…

そう思って、次の生クリームを湯せんにかける指示をする。

「月森ー、生クリームをボウルに30cc入れて、湯せんで温めて。お湯はもう60℃くらいになってるから、そのやかんの使って。」

月森と自分の分のチョコをそれぞれ僕が刻みながら、そう伝える。

「ゆ、せん…?お湯を…」
「頼むから生クリーム入ってるボウルに直接入れたりしないでね…、」

やかんを持って考えこんでる月森に釘を差す。

「シンクの中で空いているボウルにお湯入れて、その上に生クリームを入れたボウルを重ねてね。」
「あ、あぁ。そうなのか。」

…うわ、ちょっと危なかった…!?

と僕は苦笑した。
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