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〜Seiso〜恋はgamble!
2008-02-08
誘拐まがいにこの事務所に連れてこられて数ヶ月。何故かモデルやら歌って踊る歌手やら、ドラマや劇場公演なんかの俳優業、バラエティー等のタレントなんかとしても働く羽目になっていた。
本当にぽんぽん話が進んで、それだけで大変な日常なんだが、恋愛なんかしてしまったからさらにややこしいことになっている。
しかも仕事なんかよりもずっと繊細で、微妙な加減とタイミングを必要とすることだってのが、最近解ってきた。
そして、結構勇気もいる。
あいつの部屋のチャイムを押すのがこんなに緊張するもんだとは思わなかった。
相手の本当の気持ちがわからずに拒まれたり嫌われたりしないか心配になって、不安に襲われるのが片思いだっていうのなら、今の俺の状態はまさに片思いだ。
…本当に何しに来たんだろう、俺。
お前の体が心配なんだとか言ったところで、警戒されて断られるのが落ちじゃないか?
下心が全くないと言い切れない理由だしな…
加地にまんまと乗せられて、月森の部屋の前まで来ちまったけど。
…どうすんだ…、とりあえず…なんか他の理由が欲しい…
ちらりと隣の自分の部屋の扉を見ると、Seiso宿舎内で回してる回覧板がポストに入っている。
…しめた。
俺は手早く回覧板の中身をチェックし、ポケットに入っていたボールペンでサインをする。
Seiso内やら周りでの事件、事故やら、オーディションの知らせやらなんやら。
特に大したものはないから、これならすぐに隣の月森に回せる。
宿舎で月森が部屋隣で良かったと、初めて思った。
ピンポーン♪
平べったい機械音の後、しばらくして、はい、と月森の声。
「土浦だ。回覧回しにきた。」
間があった後、ガチャりと戸が開く。
「…急ぎなのか…?」
戸を少しだけ開いた隙間から見える月森は、気のせいか頬が赤く、目元が潤んでいる気がする。
隠れて俺のことをじっと見上げる熱っぽいような月森に、いつもの月森には無い雰囲気を感じた。
「特に至急とかではないが、お前体調悪そうだったし…」
俺がそう言うと、話の途中で月森は弾かれたように俺から視線を外してそっぽを向き、いきなり扉を閉めようとした。
ガンッ…!
回覧板を戸の間に横向に挟み、間一髪、扉が閉まるのを阻止する。
「月森…?どういうつもりだ…」
「すまない…、今俺はおかしな状態で…、君を見ていられない…!」
「随分な言い種だな、俺の顔は見るのもイヤか?」
月森は戸をなんとか閉めようとしていたので、言葉通りドアをギシギシ言わせながら押し問答になった。
月森に拒絶されることを考えないわけでは無かったが、ここまではっきり逃げられると、少し痛い。
意地になって深追いすれば怪我するだろうと気づいていても、追ってしまいたくなるのが本能だった。
「お前に聞きそびれてたんだ、…お前は俺のこと…どう思ってんだ?」
俺のこと、好きなのか
嫌いなのか。
この状況で良い方の答えが来るとも思えないが。
恋愛は駆け引き。
そう加地が口の端で言っていたのを思い出す。
いいだろう、ドンと来い。
どんな答えでも追いかけてやる。
怖がって前に進まなければ何も始まらないんだ。
「…わかった。中で話そう、…入ってくれ。」
長い沈黙の末、勝ち取ったものは、月森の陣地の中に入ることだった。
…まじで。
俺自分抑えられるか…?
好きなやつの部屋で、
二人っきりで、
怖がらせないでなんとかするなんて。
今更俺にできるんだろうかと、自分に自信が持てなくなってくる。
部屋に招かれると、綺麗で清潔感があって、月森らしい部屋で、
すぐにへたりとソファーに座った月森が対照的に見えた。
月森はまだ裂けたワイシャツを身につけていて、どこか具合が悪そうに元気が無い。
着替えてないどころか、やっぱり放置か…
加地の読みが当たったと渋い顔で俺は思った。
「土、浦…」
「ん?何だ?」
「…どこでもいい、座ってくれ…」
「んじゃ…」
俺は回覧板をその辺のテーブルに適当に置いて、調子の悪そうな月森の隣に腰掛ける。
「ここでいいか?」
そう言うと、ビクンと反応して俺からズサッと月森が距離をおく。
…ちょっとそれ傷つくんだが…
俺が月森を不満げに見ていると、困ったように月森が視線をさまよわせた。
「…俺は…」
月森は俺から勢いよく逃げたため、ソファーの肘置きにもたれかかって、上体は少し仰向けになって倒れている。
「…君のことが…」
なあ、そのカッコはまずいだろ…
「…す、き…に、…なってしまったようで…」
警戒しながらも誘っているような格好で、頬を染めて、躊躇いがちに、吐息混じりでそんなことを言われたら。
起きあがろうとした月森を、俺は気づいたら再びソファーに沈めていて、
夢見るようにぼうっとした月森の唇を、奪わずにはいられなかった。
金の瞳はキスと同時におちていく―
月森は戸をなんとか閉めようとしていたので、言葉通りドアをギシギシ言わせながら押し問答になった。
月森に拒絶されることを考えないわけでは無かったが、ここまではっきり逃げられると、少し痛い。
意地になって深追いすれば怪我するだろうと気づいていても、追ってしまいたくなるのが本能だった。
「お前に聞きそびれてたんだ、…お前は俺のこと…どう思ってんだ?」
俺のこと、好きなのか
嫌いなのか。
この状況で良い方の答えが来るとも思えないが。
恋愛は駆け引き。
そう加地が口の端で言っていたのを思い出す。
いいだろう、ドンと来い。
どんな答えでも追いかけてやる。
怖がって前に進まなければ何も始まらないんだ。
「…わかった。中で話そう、…入ってくれ。」
長い沈黙の末、勝ち取ったものは、月森の陣地の中に入ることだった。
…まじで。
俺自分抑えられるか…?
好きなやつの部屋で、
二人っきりで、
怖がらせないでなんとかするなんて。
今更俺にできるんだろうかと、自分に自信が持てなくなってくる。
部屋に招かれると、綺麗で清潔感があって、月森らしい部屋で、
すぐにへたりとソファーに座った月森が対照的に見えた。
月森はまだ裂けたワイシャツを身につけていて、どこか具合が悪そうに元気が無い。
着替えてないどころか、やっぱり放置か…
加地の読みが当たったと渋い顔で俺は思った。
「土、浦…」
「ん?何だ?」
「…どこでもいい、座ってくれ…」
「んじゃ…」
俺は回覧板をその辺のテーブルに適当に置いて、調子の悪そうな月森の隣に腰掛ける。
「ここでいいか?」
そう言うと、ビクンと反応して俺からズサッと月森が距離をおく。
…ちょっとそれ傷つくんだが…
俺が月森を不満げに見ていると、困ったように月森が視線をさまよわせた。
「…俺は…」
月森は俺から勢いよく逃げたため、ソファーの肘置きにもたれかかって、上体は少し仰向けになって倒れている。
「…君のことが…」
なあ、そのカッコはまずいだろ…
「…す、き…に、…なってしまったようで…」
警戒しながらも誘っているような格好で、頬を染めて、躊躇いがちに、吐息混じりでそんなことを言われたら。
起きあがろうとした月森を、俺は気づいたら再びソファーに沈めていて、
夢見るようにぼうっとした月森の唇を、奪わずにはいられなかった。
金の瞳はキスと同時におちていく―
