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〜Seiso〜煌めく水面

 2008-01-28

なんて冷たくて
色の無い心

これが運命なら
恨む力も残っていない。

意志に関係無く
犯されていく躯に

もはや執着ももてずに
そっと瞳を閉じる。


どうせ救いなんて無い

道に迷った俺は

誰も探しに来てはくれない。


ただ、汚れた躯では
もう君に思いさえ伝えられないことだけが

唯一の心残りだった――



「月森!…柚木先輩…!?なにしてっ…」


遠くから叫び声が聞こえた。

酷く怒った、彼の声に似ている。

俺は幻聴さえ聞こえるようになったのかと、ゆっくりと瞳を開ける。

「何やってんですか!?呼ばれたから来てみたら…、月森嫌がってんじゃないですか!!」

「ちっ、土浦…。まだうろうろしてたのか。」

廊下を、こちらに向かって凄い剣幕で走って来た土浦が、柚木先輩にくってかかっている。

柚木先輩は俺を捕まえたまま、舌打ちをして顔だけを土浦に向け、牽制する。

俺は何が起きたのかよくわからなくて、思考が停止しているようだ。

土浦と柚木先輩の言い争いを、他人事のように聞いていた。

「よく月森くんに好きでも何でもないと言っておきながら、のこのこ出てくるね。気の迷いで手を出そうとしたんなら、僕と何が違うんだい?君に止める権利はないよ。」

「くっ…、それは…」

言い切る柚木先輩に、土浦は返すことができなくなる。

眉根を寄せて、とても悔しそうだ。


…何故…君はここにいる…?

…俺のためにそんな顔をしているのか…?

…俺を…助けに来てくれたのか…?

俺は君を傷つけたのに…
君を…

…土浦…

…つちうら…!

「つち…、う、ら…!」


俺は夢中で手を伸ばした。

君を呼ぶ声は情けなく掠れていて、

ただ、もう側には来てくれないと思った君が

こんなに近くにいることが嬉しくて。

「つちうらぁっ…!!」

彼のところに行きたくて、柚木先輩に抑えられている腕や脚を必死に動かした。

…俺はっ…、君のところに行きたいんだっ…!

俺はきっとひどい顔をしているだろう。けれど今はそんなことはどうでもよかった。

「うるさいよ。さっきは土浦君に泣かされてただろう?また泣かされたいのかい?」

柚木先輩はさらりと垂れる前髪をそのままに、俺を拘束する力を強めながら冷たく言う。

「……構わない!俺は土浦の…、そばに…いたい…!」

「っ…、月森…。」

俺の渾身の思いは、君に届くだろうか。

叫んだ瞬間、俺を真っ直ぐに見る君の蜂蜜色の瞳とぶつかった。
すると君は目を細め、何かを決心した強い瞳に変わる。

「…だそうですから。悪いんですが、そいつ離してもらえませんか?……これ以上はそろそろ足が出そうなんで。」

土浦は、柚木先輩の肩を掴んで、威嚇する。
その指は怒りのために肩に食い込んでいた。

「くっ。………フン、…ならくれてやるよ。…荒馬に蹴られてはかなわないからね。ほらっ!」

そう言いながら、柚木先輩は俺の腕を乱暴に引っ張って壁から起こし、土浦の方へ向かせて、勢いに任せ俺の背を強くどんと突き飛ばした。

「っ…!?」
「は?!…っ、と…」

背中に痛みが走り、凄い勢いで飛ばされたが、俺は土浦に無事に抱きとめてもらい、その肌のぬくもりにホッとする。

「そんなに土浦がいいなら、そいつに犯してもらえ。」

柚木先輩の言葉を聞いて俺はカッと顔に血が上る。
柚木先輩を振り返ると、既に俺達に背を向け、廊下を去っていくところだった。

そういえば、躯が柚木先輩におかしい状態にされていたような気がする。思い出したら土浦の腕の中をリアルに感じてしまい、ゾクンと腰が熱くなった。

「お前…どこまでやられたんだ…?」

耳元に土浦の温かい吐息を感じて、俺は体が跳ねてしまう。

「ぁっ…、大、丈夫…だ。放って、おけば…」

こらえれば気分がおかしくなる痺れは治まる気がした。

土浦に触れているとジワジワと腰が熱くなってしまうので、逃げるように俺は土浦から身を離す。
「お前…、せめて服はなんとかしてけよ…」

土浦はそう言って俺の腰を掴み、ズボンのジッパーを上げる。

「ぁっ…、いいっ…。自分でやる、か、ら…」

俺は抵抗するが、変なところで面倒身の良い土浦のせいで、ジッパーは無理やり上げられてしまう。
その時に俺の高ぶりに土浦の指が触れていって、俺は思わず声を上げた。
「ぁっ…、あぁぁっ…」
高くて変な声が出てしまい、それを土浦に聞かれたのと、俺の高ぶってしまっているものに触れられたことが恥ずかしくて、俺は土浦の顔を見られなくなり目をつぶった。
少し止まっていた土浦だったが、俺のベルトも元に戻して、自分の着ていたジャケットを脱いで俺に羽織らせてくれた。
俺のシャツは前が止められなくなっていたから。
「ほら、もういい。行けよ。」
「…すまない…」

土浦に後ろを向かされたので去ろうとすると、後ろから彼に抱きしめられた。
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