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〜Seiso〜迷走のcanon
2008-01-22
「柚木…先輩…」俺は一瞬、迷った。
この人は…俺に手を出した人。
けれど、俺が迷っている間に、俺は柚木先輩に引き寄せられて腕の中にいた。
ふわりとした肌触りの柚木先輩の服。藤の香が俺の鼻をくすぐる。
我慢できずに瞳を閉じると、ポロポロと大粒の涙がこぼれていくのがわかった。
「月森くん…、ここだと人目に付くから、…そちらの陰に行こうか。」
柚木先輩は優しく俺を抱きしめ、俺の頭を撫でながら、少し考えてそう言った。
柚木先輩の声は俺を気遣って優しい。
人前で泣くことなどもう何年もなかったが、俺は今、溢れてくる涙に抵抗できなくなっていた。
柚木先輩の腕に包まれたことで、尚更涙が止まらなくなってしまったことに気づく。
優しくされるとかえってこの様な結果になるので、人にはなるべく甘えたりしないようにしていたのだが。
今の俺は…情けなくて
弱い。
柚木先輩に導かれ、俺と柚木先輩は柱の陰に身を隠す。
ここなら向こうから誰かが廊下を見渡しても、すぐには見つからないだろう。
涙が枯れずに止めどなく流れたままだったので、確かに人には見られたくない状況だった。
…今更だが、他人に相談できる内容ではないかもしれない…。
せり上がる泣き声を堪えながら、ふと土浦との出来事を思い出し俺は眉をひそめる。
自分でも悩んでいる原因がよくわからないのに、他人が解決できるだろうか…。
柚木先輩はそんな俺を見て、ゆっくり俺に問いかけた。
「何故、月森くんは泣いているのかな…、って聞いてもいいかな?」
柚木先輩は俺の顔を覗き込んで、紫に光る長い黒髪をさらさらと揺らしながら、少し首を傾げる。
真剣に聞いてくれる柚木先輩の様子に、俺は少し話してみようと思った。
「何故…。」
何故だろうか。土浦に…
「土浦に、お前のことは好きでもなんでもない。気まぐれで手を出しただけだと言われて…」
俺は痛みの引き金になった言葉をそのまま伝える。
口にすると、なんだかとても悲しいような悔しいような気分になってしまい、申し訳ないけれど柚木先輩の胸を借りることにした。
「……。手を出されてしまったんだ?」
柚木先輩は驚いた顔をしながら、俺に確認してくる。
「…いいえ、未遂ですが…、許せないんだと思います。彼が遊びで人をそんな風に扱う人間だとは思わなかったので…。」
思い出した俺は、目を伏せて苛立ちを感じる。
「月森くんは…何が…ショックだったのかな?」
「何が…?俺は今理由を言ったような…」
俺が不思議で顔を上げて問いかけると、落ち着いて手探りでゆっくりと探るように、柚木先輩は続ける。
彼が何を言いたいのか分からず、俺は柚木先輩の顔を見上げた。
「月森くんは…彼に手を出されそうになったからショックだったの?本当にそれだけ?」
「どういうことでしょうか…?」
俺は言われていることがよく分からず、柚木先輩の様子をうかがう。
すると、急に柚木先輩は俺の背を引き寄せ、あっという間に唇を唇で塞がれてしまった。
…なんだこれは…キス…?
俺がショックで動けないでいると、唇を離し、柚木先輩は真剣な瞳で俺を柱に押し付けた。
「彼のことを拒んだのは、君も彼を好きではないからなのかな?それなら彼に気を使うこともないね。…俺のものになれよ。」
顎と手首を固定され、俺は近すぎる柚木先輩の寒気のする笑みを見た。
「何が…?俺は今理由を言ったような…」
俺が不思議で顔を上げて問いかけると、落ち着いて手探りでゆっくりと探るように、柚木先輩は続ける。
彼が何を言いたいのか分からず、俺は柚木先輩の顔を見上げた。
「月森くんは…彼に手を出されそうになったからショックだったの?本当にそれだけ?」
「どういうことでしょうか…?」
俺は言われていることがよく分からず、柚木先輩の様子をうかがう。
すると、急に柚木先輩は俺の背を引き寄せ、あっという間に唇を唇で塞がれてしまった。
…なんだこれは…キス…?
俺がショックで動けないでいると、唇を離し、柚木先輩は真剣な瞳で俺を柱に押し付けた。
「彼のことを拒んだのは、君も彼を好きではないからなのかな?それなら彼に気を使うこともないね。…俺のものになれよ。」
顎と手首を固定され、俺は近すぎる柚木先輩の寒気のする笑みを見た。
