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〜Seiso〜迷宮のrhapsody
2008-01-12
――やがて尽きる命ならこの身を貴方に捧げよう金の月が昇る夜
貴方が欲しいと望むなら
どうせ一度の命なら
綺麗でなくてよいのなら
愛しい貴方と過ごす夜
身も心も捧げよう――
悲しげで優しい音色を最後まで歌い上げ、俺はマイクを下ろした。
ドラマ『禁断のダイヤモンド』での挿入歌は俺の歌を入れることになった。
このドラマで彼との恋人期間が始まり、このドラマが撮り終わると同時に恋人期間は終了という約束だ。
ドラマはもう終盤。
俺の歌は俺の役がすべてを捨てて土浦の役についていくことを決心するときに流れるらしい。
ーやがて尽きる命なら
貴方が欲しいと望むならー
歌い終わった歌詞が頭の中をリピートする。
俺は、役ではないのに俺を欲しいと望んだ彼を拒んだ。
彼の真意がわからなかったから。
気の迷いなのかと。
柚木先輩のように遊びなのかと。
…俺の困る顔がそんなに見たいのか…?
あの時、君に欲しいと言われて、柚木先輩に襲われたときの恐怖が蘇ってきた。
怖くて嫌で苦しくて
俺の自由は奪われ、それを楽しんでいるあの人が憎くて怖かった。
君も俺をそんな目にあわせたいのか…?
そんなに俺が嫌いなのか…?
わからない。
何故彼が俺を好きにしようと思ったのか…
この歌のように身を任せたら何かわかったのだろうか。
けれど、それにはあまりにも君の心は見えなくて。
どうしたらいい、次に君に会うときにどんな顔をして会えばいい…
…怖い…
俺は両手で顔を覆い隠し、暗い迷宮をさまよっていた。
