月夜のおもい
2008-06-04
惺琳樺ちゃんの加地モノローグに影響されて、また書いちゃったりしました。
加地くんに合わせて恋愛発展前。加地くんのモノより前ですかね。
では、お楽しみください。
あ、そうそう、グリーンスリーブスをBGMでかけながら見ることをお勧めしますvv
見守られ祈る愛の歌(吉加)
2008-04-11
こっそりと忍び込む、
僕と貴方だけの空間。
愛おしい貴方に一秒でも早く会たくて、僕は今日もヒラヒラ花に群がる蝶のように貴方の部屋を訪れる。
理事長室。
愛しのプリンス…いやキング?のおわす仕事部屋。
軽いノックをすると、入りたまえ、と背筋がゾクゾクするこえが聞こえた。
嬉しい、嬉しい。
貴方に会えるだけで、…その声を聞くことができるだけで。
部屋に入ると書類にペンを走らせながらも、僕を気にする気配。
「何の用だね?」
「あはは、酷いなぁ、暁彦さん。僕がここに来る理由なんて一つじゃない。」
暁彦さんとの会話は駆け引き。甘い色香を含ませて、ちょっとでも構ってもらえるように誘う。
いつも放課後になり、暁彦さんの仕事が終わる頃に僕はこっそりやってきた。
「…君は…、」
ふぅ、と溜め息が聞こえた。
溜め息つくなんて、そんなにお邪魔なのかな。でも、僕の誘いが効いたって可能性も…
「毎日こんなところにばかり来るよりも、少しでも練習をしたほうが君のためになると思うのだが?」
…うわっ!痛い…
「…わかってます。…でも、ヴィオラは家でも練習できるけど、暁彦さんには学校でしか会えないから…。」
僕にも譲れないものはある。
あまりにも短い貴方との逢瀬。
それがなければ、僕はもうきっと
くるしくて
さみしくて
かなしくて
貴方に焦がれて押しつぶされてしまう。
「貴方に会えないと…、僕は愛が足りなくて…死んじゃうんです、暁彦さん…。」
全て本心。貴方の愛がなければ僕は――
「…―っ、出て行きたまえ…。」
…え?
…暁彦さん
今なんて?
苛ついた、本当に冗談で言っている調子じゃない暁彦さんの言葉。
出ていけ?
デテイケ――?
全てが。部屋が。視界が。
体が。心が。
心臓が。呼吸が。
凍りつく。
涙を流すこともできない。
何故?
どうして―?
いらない?僕は暁彦さんに必要とされない…?
ぐらりと視界が、体が揺れた気がした。
硬い生地、腕、瞳と同じ色のネクタイ。
気づくと貴方の中にいて、引き寄せられて最初は優しく、だんだん激しく求められた。
「…ふ、ん…、暁…彦さん?……僕は、…いらないんじゃ…」
見上げると、言いにくそうな暁彦さん。
「…私が…悪かった…、謝ろう…すまない。」
本当に申し訳なさそうな、暁彦さんらしくない顔。
…どうしたんだろう…。
意外と不自由なこの空間(吉加)
2008-01-08
流れる景色、爽快な高速道路。物語のお姫様のように攫われて、僕は今、黒馬の王子様と現実逃避中。
あぁ、どうしよう。何もかもが素敵だ。
車のエンジン音も、飛ぶように流れる景色も、隣の貴方の運転する腕も、道路とたまに景色を楽しむ貴方の真っ直ぐな瞳も。
ぞくぞくするような大人っぽいガーネット。
駄目だ、熱があるように僕の頭が溶けてくる。
抱きついてしまいたい…、運転中なのは解っているけど。
さっき遊んでもらったばかりだけど。
確認するように自分の開いた胸元を見ると、これでもかと散った花びらの痕。さっきまでの映像がふわりとフラッシュバックする。
押し倒された力強い腕、色っぽく熱っぽいガーネット、激しいキス、熱い唇。
「んっ…」
思わず思い出して身を震わせた。身体の芯にまた火がついたよう。
横の暁彦さんが盛大な溜息をついて、明らかに怒った声で言った。
「盛りの付いた猫をドライブに誘ったつもりはないが。」
変換。
何一人で盛り上がっているんだ。今私は手が離せないんだから誘うのは止めなさい――
かな。ふふっ…暁彦さんのトゲトゲしさは衝動を抑えている時が多いんだよね。
柔らかく笑って、僕はちゃんと解ってますよ、とアピールする。
「あはは…、変な声出してごめんなさい。…抱きついてしまいたいと思って…、さっきのこと思い出しちゃいました。」
暁彦さんは少し押し黙って、やっぱりズバッと切る。
「それで?それを私に聞かせて、どうするつもりだ。」
あはは…、言い方キツいのに、僕を触れないって苛立ちが言葉に表れちゃってるよ暁彦さん…。
「抱きつきたいけど、出来ないので、せめて気持ちだけでも伝えようと思って。……僕、今とっても幸せです。」
「…また唐突だな。」
貴方にこんなに愛されて。
何か見落としていて、本当はそんなに愛されていないとしても、
僕のただの幻想でも、
僕はとっても幸せです。
愛してもらえて、車にも乗せてもらって。
どこの国のお姫様より幸せです。
「葵」
耳元で愛しい声がして、我に返る。
一瞬の間だけ暁彦さんが僕のすぐ近くまで顔を寄せていた。
「あ、ごめんなさい、何度か呼ばれてましたか…?」
慌てて謝ってみるが。暁彦さんを好きになってからは、度々自分の世界が怖いと思う。
「勝手に自己完結するんじゃない。」
僕の失態には触れない暁彦さんは優しい。
波間に輝く君の音(吉加)
2008-01-08
車を飛ばす海岸線。白い波と光る水平線と、珍しく渋滞のない道路に気を良くして、私は運転席の窓を開け、左肘をついた。
直線道路の運転は片手で十分。波の音に耳を傾けると、どこからか弦の音がした。
私はすぐに近くに臨海公園があったことに気付く。
そのまま飛ばそうか考えたが、音色がやけに甘ったるい。
私は一人溜息を付き、右折のウインカーを出して公園の駐車場に入った。
駐車場の小石を踏みながら、車のロックと同時に歩き出す。
練習か。当然だな、コンクールも近い。
公園に入り、海を見渡せる場所に足を運ぶと、予想した通り金の髪がふわりと舞っていた。
柔らかで華やかで、繊細な音色。今日は調子が良いようだ。アイネ・クライネ・ナハトムジーク。
君は君らしい甘やかで人に好かれる賑やかな音を出すのに、当の本人はそれを良しとしないらしい。
まあ、よくあることだ。理想と自分自身の持ち味の違いがその人間を苦しめる。芸術家は誰しもその道を通るのかもしれない。
…私もよく、姉の音に憧れたものだ。
思いを馳せていると、曲は終焉を迎え、私は手を叩いた。
「…暁彦さん?!」
私を見つけるなり目を輝かせる君。驚きと感動と、ころころ表情を変える君に、つい笑みを漏らした。口元を手で隠し軽く咳払いする。
「休日も練習に励んでいるようだな。この前よりは聞けるようになっていた。まぁ、当然のことではあるだろうが。」
強めに言ってはみたが、やはり正面からは取っていないようだ。
「暁彦さんっ…、本当ですか…?嬉しいな…。あ、何故ここに?まさか僕に会いに…?」
「偶然だ。気分転換にここに寄ったまでのこと…。君に会いに来たわけではない。」
これ以上喜ばせることもあるまい。既に花が飛んでいるようにふわふわとした締まりの無い顔になっているので、私は真実は隠しておいた。
「あははっ…。何ムキになってるんですか?暁彦さん…。………え、もしかして本当に…?」
しまった、何も言わないべきだったか。人の感情…特に偽りには敏感に反応するこの衆議院の一人息子に見抜かれ、やはり来たのは間違いだったときびすを返す。
「あ、待って…暁彦さんっ…」
悲しげな必死の声を出して、慌ててヴィオラを仕舞う君。
少し胸が痛んだが、放置して車へと向かった。
運転席のドアに手をかけたとき、背後から強く抱きつかれる。
後ろの君の息は荒い。走ってきたのか。
貴方依存症
2008-01-02
ブログ初の吉加小説です〜さっきから携帯の電源がガンガン落ちるんですが、(古いんだよ)めげません。
ではお楽しみ下さい!



